植物手帖

出会った植物の気ままな覚え書き

ベニバナボロギク

f:id:botanical-kamakura:20190103114129j:plain

 

 

昨年の秋、この葉っぱは春菊のような味がして美味しいのだと教えてもらった。

里山のお手入れ会の時にも見かけていたので名前は知っていたものの、食べられると

はつゆ知らず。 

その後群生しているところの枝先の柔らかそうなところを摘ませてもらい、

早速家で食してみることにした。

ちょうど常夜鍋をの材料があったので、普段は茹でたほうれん草のところをベニバナ

ボロギクで代用してみる。

 

粉末昆布入りの湯に豚肉を入れ火を通したら、摘みたてのベニバナボロギクの葉を

入れさっと湯がく。

豚肉を鉢に取り、大根おろしとみじん切りのネギをのせ、醤油とレモン汁を絞った

ら、葉で肉と薬味をくるむようにして口に運んでみた。

 

!!

春菊に似ているかもしれない。

でも、もう少し鮮烈な香り、芹と春菊を合わせたような。

とにもかくにも、葉の柔らかさとその香りに一瞬で心を奪われてしまった。

家人が、生でも美味しいというので、試してみるとこれもイケる。

 

多分お浸しや汁の実、胡麻和えなど単体で料理しても美味しいだろう。

でも、個人的にはその香りは肉との相性が抜群に良いと思う。

タイ料理にも合うのではないだろうか?!

この花の種を採取して家に蒔きたいと思うほど、美味なる野草であった。

 

ベニバナボロギクはキク科の一年草で、5月ごろから霜が降りるまで次々と芽が出

て繁殖するらしい。

写真は12月27日に撮影したもので、夜の寒さにあたったせいか、葉の周りが少し黒ず

んでいた。

そして周辺には、種が落ちて新たに発芽したらしい若い株がいくつかあったが、

こちらも寒さで少し元気がない。

このあとどうなるのか?!

気になって5日後に様子を見に行くと、全体がすっかり黒くなって立ち枯れていた。

残念・・・

でもまた5ヶ月後、その香り高い葉っぱを味わうのを楽しみにしよう。

 

ベニバナボロギク  

キク科ベニバナボロギク

学名 Crassosephalum crepidioides

 

アフリカ原産。

戦時中は南洋で春菊の代用とされており、南洋春菊と呼ばれていたが、戦後昭和20年

代に日本に渡来。

現在では関東以西の山野の荒地、畑の中などどこにでも生える。

夏から秋に茎の上部の葉腋から長い花柄が伸び、赤煉瓦色の数個の頭花を下向きにつ

ける。

繁殖力が強いので、少々摘み過ぎても絶やすという不安はない。

 

ボロギク(サワギク)に似ているところからの命名のようだが、花の形はベニバナボ

ロギク は筒状花のみなの対し、サワギクは舌状花と筒状花からなり見た目はツワブキ

の花のような印象。

両者とも果実期の綿毛がボロ切れをまとっているように見えるという説のほうにより

納得がいく。

 

 

仕事日記もやっています。

kitokaplants.hatenablog.com


 

にほんブログ村 地域生活(街) 関東ブログ 鎌倉情報へ
にほんブログ村

にほんブログ村 花・園芸ブログ 身近な花へ
にほんブログ村

 

f:id:botanical-kamakura:20180926131737j:plain

 

5月頃、鎌倉のあちらこちらの木の枝に小さな赤い実を見ることができる。

つんつんとした細い角のようなものが四方に伸びている。

私がそれを桑の実と知ったのはつい4〜5年前のこと。

以前住んでいた家の近くの川沿いに一本の桑の木があり、そこにたわわに実っている

のをみつけたのが初めての出会いだった。

すごい発見と思って友人達に話したら、結構ポピュラーなものらしく、すでにジャム

を作っているとか、春先子供たちの外遊びの時のおやつだ、と聞いてなぁんだと思っ

たものだった。

 

当時近所にあった桑の木はその一本だけだったので、ジャムにする程の量は取れなか

った。けれども鎌倉に越してくるとそこら中に桑の木があって、買い物のついでに

15〜20粒程採って、その都度冷凍庫で保存しておく。そしてある程度たまった時点

で砂糖と一緒に火にかけると、小さな瓶ひとつ分くらいのジャムができあがる。

野で摘んできたとは思えない華やかな香りの色あざやかなジャム。

ヨーグルトにかけて大切に大切にいただく季節の恵みである。

 

7月末に図書館で借りた本、大原扁理さんの「年収90万円で東京ハッピーライフ」。

その中に桑の葉を摘んできてお茶を作るという記述があった。

へぇぇ、桑の葉でお茶が!

それから注意して桑の木を見てみると、ちょうどその頃、新しい葉っぱが生えてくる

時期なのだと知った。

勢いが良くてとても美しい。そして瑞々しい葉は美味しそうにも見えた。

友人の ブライダルで使う植物の水落ちを実験していたところだったので、桑の枝も採

取してきて、根元の捨ててしまう葉ををほうじ茶に仕立ててみた。

 

結果は・・香ばしくて美味しかった。

少し前に作ったドクダミ茶に比べると格段に飲みやすく、優しい味わいにホッと一息

つける、そんな感じのお茶になった。

 

f:id:botanical-kamakura:20180915150222j:plain

 

 桑の葉といえば小学校の時分、理科の授業で蚕を育てたことを思い出すという人も

多いだろう。

けれども近くの桑の木に蚕がいたのを見たことは一度もない。なぜ??

種類が違うのかな?!

お茶が美味しかったこともあり、またこんな疑問も湧いてきたので桑について調べて

みることにした。

 

桑の種類には、ヤマグワとマグワがある。

ヤマグワは野生種、マグワは中国産で栽培種とのこと。

マグワはかつて養蚕用に栽培されていたが、今は野生化しているものも多く、また両

者の交雑種もあるようだ。

葉だけでヤマグワかマグワかを見分けることは難しい。

ではどこで見分けるか?!

 

一番の違いは実の形にある。

実に雌しべの跡である花柱があるのがヤマグワ、ないのがマグワ。

最初に「つんつんとした角のようなもの」と書いたのが花柱なのだった。

うちの近所にある桑で花柱のないものは今のところお目にかかったことがない。

近くで自生している桑の木はこれでヤマグワだということがわかった。

けれども、ヤマグワもお蚕さん用に使われることもあったようなので、なぜ自生の桑

に蚕がつかないのか謎が残ってしまった。

 

桑の実     拡大して見ると実からつんつん角が生えているのが見える ↓

f:id:botanical-kamakura:20180915140752j:plain

 

因みに桑の葉茶は、小腸で糖の吸収を阻止し、血糖値の上昇を抑える効果があるのだ

そうだ。

甘い物好きな私はお菓子のお供に飲んでみてもよいのかななどと思っている。

 

追記

北鎌倉のかっちゃんにヤマグワとマグワについて話を聞いてみたところ、蚕はどちら

の葉も食べるとのこと。

お蚕さんが桑の葉についているのを見たことがないのは、ただ単にカイコガが鎌倉周

辺に生息していないためなのではないだろうか。

 

ところでかっちゃん家の庭には、マグワの木が植わっていることがわかった。、

来春の桑の実シーズンが今から楽しみである。

 

仕事日記始めました。

kitokaplants.hatenablog.com

 

 

にほんブログ村 花・園芸ブログ 身近な花へ
にほんブログ村

にほんブログ村 地域生活(街) 関東ブログ 鎌倉情報へ 

にほんブログ村

肉桂

 

f:id:botanical-kamakura:20180821102949j:plain

 

子供の頃、風邪をひいたときのお楽しみは浅田飴を舐めさせてもらえることだった。

今はパッション味というのがあるそうだが、当時、浅田飴のフレーバーは青い缶でミント味の「クール」と茶色の缶の「ニッキ」の2種類だったと思う。

ちょっと抹香臭いようなニッキの風味だけれど、子供ながら結構好きだった。

私の中でニッキ味の記憶というのは浅田飴の味がほぼ原体験といってもよいだろう。(厳密には違うのだけれど)

中学1年の時、クラスの女子の間でお弁当にアップルパイを持っていくことが流行った。

マザーグースの本に載っていた練り込みパイのレシピを見ながら初めて焼いたのだが、その時使ったのは粉状のシナモン。

そして3年になって修学旅行先の京都のお土産「八ツ橋」は浅田飴と同じニッキ味だった。(もちろん、ニッキ味の八ツ橋は大好物だった。)

その頃は風味の違いになんの疑問もなく、どちらも同じシナモンという認識で時間が過ぎていった。

 

大人になって、紅茶に使う時だったか料理に使う時だったかすっかり忘れてしまったが、家にあるシナモンスティックは何で浅田飴や八ツ橋と風味が違うのだろうとふと思い。

答えが見出せないまま更に数年が過ぎた頃、北鎌倉にある喫茶ミンカでたまたま注文した「水正果茶」(スジョンガ)というシナモンと生姜の飲み物の味にハッとした。

シナモンと書かれてはいるけれど、その味と香りは紛れもなくあの浅田飴の、あの八ツ橋のニッキと同じだったから。

店のカウンターを見ると、木の皮を剥いだようなものが入っている細長い瓶が置いてあり、瞬間的にこれがニッキだ!と理解した。

それは、ロール状のシナモンスティックとは全く違う姿をしていた。

ゴツゴツした肌触り、黒に近い茶色。

オレンジの風味を思わせる華やかな香りのシナモンスティックがお洒落な淑女だとすれば、力強い風味のニッキはちょっとやそっとのことではへこたれない逞しく日に焼けた労働者のような雰囲気とでも言ったらいいだろうか。

 

調べてみると、そのゴツゴツとしたニッキは「カシア」と呼ばれるものだということがわかった。

その後、韓国食材店や中華街の食材店で扱っているのも発見した。

シナモンとカシア、きっと科は同じで違う種類の植物なんだろうなと思っていた。

 

「樹木がはぐくんだ食文化」という本がある。

その中にこのような記述があった。

ニッケイの産地は三ヶ所ある。インド、スリランカのセイロンニッケイ、中国南部やインドシナのシナニッケイ、そしてインドネシアスマトラニッケイである。先の「八ツ橋」にはシナニッケイが使われていると聞いている。それぞれ香り、甘さ、辛さがちがうのである。』

そして文末のシナニッケイのところに括弧書きでカシアと書かれていた。

 

ネットでシナモンスティックと検索すると、セイロン・スリランカ産と出てくるので、アップルパイや紅茶に使うシナモンはセイロンニッケイ、八ツ橋や浅田飴ニッキはシナニッケイということで間違いないだろう。

 

何だか前置きが長くなってしまったが、上の写真は北鎌倉の里山で地元の方に教えていただいた「ニッキの木の葉っぱ」である。

この葉を噛むと極々僅かではあるがニッキの香りがする。

昔、駄菓子屋に行くと、赤い紐で束ねられたこの木の根っこが売られいて、子供達はそれを噛んでおやつにしていたそうだ。(それをしばニッケイといった)

 

日本産ものは上に何もつかない「ニッケイ」といって、徳之島、沖縄本島などに自生すると言われている。かつては和歌山、四国、九州などでも栽培されていたそうだ。外国産との違いは、幹の皮を使うか、根っこの皮を使うかというところにある。

関東地方以西ではヤブニッケイがごく普通にあると前出の「樹木がはぐくんだ食文化」には記載されているが、写真の葉はヤブニッケイではないらしい。

ニッケイ」は日本の南部にしかないと書かれているけれども、これがヤブニッケイでないとするならば、日本南部にしかないと言われるニッケイの木が北鎌倉にもあるということになる。

 

鹿児島に「けせん団子」という郷土菓子があるそうだが、 これは小豆を混ぜ込んだ団子をけせん(ニッケイ)の葉で挟んで蒸したものと聞く。

団子にニッキの香り移って良い匂いになるらしい。

当初は葉で挟まないで作っていたのを、ニッケイに殺菌作用があることがわかり、鹿児島独特の暑さで傷みやすい団子を葉で挟むようになったのが始まりということである。

 

ニッケイ  クスノキ科   分布ー沖縄、本州(南部)、四国、九州 :栽培

 

ヤブニッケイ  クスノキ科  分布ー本州、四国、九州、沖縄、挑戦、台湾、中国南部

 

セイロンニッケイ  クスノキ科  分布ーインド、スリランカ

 

シナニッケイ(カシア) クスノキ科  分布ー中国南部、インドシナ

 

ジャワ(スマトラニッケイ  クスノキ科  分布ーインドネシアスマトラ

                                     「樹木がはぐくんだ食文化」渡辺弘之著   より抜粋

 

 

 

f:id:botanical-kamakura:20180821162036j:plain

喫茶ミンカの水正果茶はこのようなイメージでサーブされる。

この写真は実際は五味子茶。

 

にほんブログ村 花・園芸ブログ 身近な花へ
にほんブログ村

にほんブログ村 地域生活(街) 関東ブログ 鎌倉情報へ
にほんブログ村

カニクサ

       f:id:botanical-kamakura:20180621152816j:plain

                         kito*ka-plants

 

以前住んでいた家の裏庭に2階に住む人のための外階段があったのだが、ある年気がつくと手すりに蔓植物が絡みついていた。

私の身長より高く、2mくらいはあっただろうか。

蔓の下の方の葉は切れ込みがあって細長く、羽のような形をしている。

そして上にいくにしたがって細かい葉になる。そのちりちりとした様子が、観葉植物のアジアンタムに少し似ている気がした。

当時リース作りをしていたので、試しに採取して乾かしてみると1日であっという間にカラカラになった。蔓にニュアンスがあり、作品に動きを与えてくれるのでそれ以来気に入りの素材となった。

はじめは名前も知らずに作品に使っていて、そのあまりの使い勝手の良さに、一体これは?!・・・という流れだったのではなかったか。

シダのような雰囲気なので、確か「蔓性 シダ」といった感じで検索したのだと思う。

そして初めて「カニクサ」という名前であることを知ったのだった。

 

今年の5月、リース作りを再開するまでしばらくの間、出先で時折見かけることがあっても、横目で眺めながら通り過ぎるだけの日々を送っていた。

ところが先日、手入れをさせてもらっている庭でドクダミを間引いていたら、下から不意にカニクサが現れた。

久しぶりだね。元気だった?!

そう声をかけたくなった。会えてとても嬉しかった。

2枝ほど持ち帰り乾かしてみると、梅雨なのに半日でおおかた乾いてしまう。

早速紫陽花やパンジーと共にリースに仕立ててみた。

リースの円から跳ねるように飛び出てているのがカニクサ。

カニクサがあるのとないのとでは雰囲気がだいぶ違う。

 

 名前の由来は、子供がその蔓を使って蟹を釣ったから。

その程度の知識だけで、どんな植物なのか深くは知らなかった。

表面上の付き合いだけしてきた友人、そのバックボーンを知らずに過ごした時間が少しもったいなかったような・・・そんな気持になる。

 

カニクサはシダの仲間。

実は日本に生育している蔓性のシダというのは八重山諸島に生育するイリオモテシャミセンヅルとカニクサの2種類とのこと。

日本列島ではカニクサが唯一蔓性のシダなのだそうだ。

そしてこの蔓、実は茎ではなく葉っぱの真ん中にある主軸であり、蔓一本が一枚の葉であるという。

下の方の細長い葉も、上の方のちりちりと細かい葉も別の葉ではなく、それぞれが一枚の葉の一部という、ちょっと訳の分からない不思議な植物なのだった。

葉の形の違いは役割の違いらしく、ちりちりとした葉は裏に胞子がつく繁殖を目的とした「胞子葉」、下の方の細長い葉は光合成をし栄養を作る「栄養葉」ということだ。

夏から秋にかけて胞子葉を紙袋に入れ揉み、胞子だけを集めたものを「海金砂(カイキンシャ)」と呼ぶ。

これは淋病、利尿の薬になるとのこと。サソリの毒消しにも用いられるらしい。

 

 カニクサ Lygodium japonicum カニクサ科 

                  Lygodes はギリシャ語で「柔軟な」

                  英名 Japanese climbing fern (日本の巻きついて登るシダという意味)

 

にほんブログ村 花・園芸ブログ 身近な花へ
にほんブログ村

紫陽花

 

f:id:botanical-kamakura:20180611120447j:plain

kito*ka+plants

 

今の家に越してきて初めての夏、押し入れに入れた布団が一気にカビてしまった。

話には聞いていたが、改めて鎌倉の湿度の高さを実感したエピソードである。

紫陽花は水を好むと言われるが、それは土壌の水分のことばかりでなく、空気中の湿度も当てはまるそうだ。

こういう土地だからこそ、しっとりとした質感と美しい発色の紫陽花が育まれ、6月になれば多くの観光客が押し寄せるのだろう。

 

英名のHydrangeaギリシア語で「水の器」を意味する。

英語の名前があるから、てっきり外国からやってきた植物と思っていたが、実は日本原産とのこと。

日本のガクアジサイシルクロードを経てヨーロッパに伝わり品種改良をされ、逆輸入されたものをセイヨウアジサイというらしい。

ボールのような形をした紫陽花が全てセイヨウアジサイなのかと調べてみたが、そのあたりのことはよくわからなかった。

丸い形のものを「てまり咲き」と呼ぶとの記述もあるので、日本原産でボール状の紫陽花もあるのではないかと思う。

 

実はこれまで、ガクアジサイヤマアジサイの違いについても、よく知らなかった。

あるサイトによれば、両性花の周りに額のように装飾花が並び、日当たりのよいところに咲くのが、ガクアジサイ水の近くのじめじめした木陰に咲くのがヤマアジサイということである。

 

6月に入ってから1週間ほど紫陽花と向き合う日々が続いた。

紫陽花の葉をそのままアレンジに使うのでももちろんOKなのだが、無性に違う葉と合わせてみたくなり、どんなものが合うのだろうと外出の度に自然の植物を観察していた。

次第に自分の中で合わせたいものの輪郭がはっきりしてきた。

① 紫陽花は小さな花が集まっているので、細かい葉を合わせるとうるさい感じになってしまう。大きめで、且つ造形的な葉が紫陽花をうまく引き立ててくれる。

② カサカサした質感の葉よりも、水分を多く含んだものが馴染みがいい。水を好む性質だからかもしれない。

 

紫陽花の葉は、時々料亭などで料理に添えられて供されることがあるが、食べると食中毒を起こすそうなので注意したい。

 

紫陽花 Hydrangea macrophylla アジサイアジサイ属の落葉低木 

 

にほんブログ村 花・園芸ブログ 身近な花へ
にほんブログ村

 

ヤブガラシ

 

食べると辛いからヤブガラシなのかと思いきや、藪を枯らしてしまうほどの勢いで蔓延るからヤブガラシなのだそうだ。

英語では Bush killer。まさに同じ意味あいのネーミングであるところが面白い。

「道端、林縁、荒地などに生え、市街地では公園のフェンスなどによく絡まっている」とウィキペディアには書いてあった。

f:id:botanical-kamakura:20180607103009j:plain

 

若い葉は裏が赤紫色。

それが透けているため、葉脈や縁の部分にその色が見えている。

茎も先端の細い所や枝分かれしている部分に赤紫が入る。

とてもシック。

葉の形は以前育てていたヘンリーヅタに似ている。

そんな風に思っていたら同じブドウ科の植物なのだそうだ。

そういえばヘンリーヅタも葉裏が赤紫色だった。

 

ヘンリーヅタ ↓

f:id:botanical-kamakura:20180607105416j:plain

 

色も形もなんとも魅力的。

花を生ける身にとってはこれを使ってアレンジをしてみたいというモチベーションが沸々と湧く素材であるのだが、悲しいかな別名が貧乏蔓。

庭の手入れが行き届かない貧乏人の家に生い茂るからという。

これがある庭は自ら手入れが悪いですよと公言しているなものなんだそうだ。

ヘクソカズラとかオオイヌノフグリなど可哀想な名前の植物はいろいろあるが、そのうちのひとつに挙げられるかもしれない。

 

これだけ繁殖力が旺盛であちこちにあるのだったら、何か人に役立つことに使えたらいいのに・・・。

そう思い調べてみると、新芽や若葉をおひたしや天ぷらで食べることができるとか。

天ぷらはそのまま揚げればいいけれど、おひたしの場合は茹でたあとのアク抜きがポイントのようである。ぬめりがあるところはモロヘイヤに似ているらしい。

根っこを乾燥させて、利尿、鎮痛などに用いられる生薬 鳥斂莓(ウレンポ)となる。

 

ヤブガラシ Cayratia japonica  ブドウ科ヤブガラシ属の多年草

 

追記

何とか美味しく食べられないか試行錯誤し、

家族からも褒められた一品をご紹介。

f:id:botanical-kamakura:20180906130143j:plain

 

ヤブガラシと若布の胡麻酢和え

ヤブガラシは、先端の柔らかい部分を塩を入れた湯で軽く火を通し、水を張ったタッ

パーに入れて冷蔵庫で1〜2日ほどアク抜きをする。

すり鉢で黒ごまを擦ってみりん、酢、醤油で好みの味に整える。

戻した若芽と共に胡麻酢で合える。

ヤブガラシは固そうな茎は取り除くと、歯ざわりよく美味しく食べられる。

 

 にほんブログ村 花・園芸ブログ 身近な花へ
にほんブログ村