植物手帖

出会った植物の気ままな覚え書き

ベニバナボロギク

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昨年の秋、この葉っぱは春菊のような味がして美味しいのだと教えてもらった。

里山のお手入れ会の時にも見かけていたので名前は知っていたものの、食べられると

はつゆ知らず。 

その後群生しているところの枝先の柔らかそうなところを摘ませてもらい、

早速家で食してみることにした。

ちょうど常夜鍋をの材料があったので、普段は茹でたほうれん草のところをベニバナ

ボロギクで代用してみる。

 

粉末昆布入りの湯に豚肉を入れ火を通したら、摘みたてのベニバナボロギクの葉を

入れさっと湯がく。

豚肉を鉢に取り、大根おろしとみじん切りのネギをのせ、醤油とレモン汁を絞った

ら、葉で肉と薬味をくるむようにして口に運んでみた。

 

!!

春菊に似ているかもしれない。

でも、もう少し鮮烈な香り、芹と春菊を合わせたような。

とにもかくにも、葉の柔らかさとその香りに一瞬で心を奪われてしまった。

家人が、生でも美味しいというので、試してみるとこれもイケる。

 

多分お浸しや汁の実、胡麻和えなど単体で料理しても美味しいだろう。

でも、個人的にはその香りは肉との相性が抜群に良いと思う。

タイ料理にも合うのではないだろうか?!

この花の種を採取して家に蒔きたいと思うほど、美味なる野草であった。

 

ベニバナボロギクはキク科の一年草で、5月ごろから霜が降りるまで次々と芽が出

て繁殖するらしい。

写真は12月27日に撮影したもので、夜の寒さにあたったせいか、葉の周りが少し黒ず

んでいた。

そして周辺には、種が落ちて新たに発芽したらしい若い株がいくつかあったが、

こちらも寒さで少し元気がない。

このあとどうなるのか?!

気になって5日後に様子を見に行くと、全体がすっかり黒くなって立ち枯れていた。

残念・・・

でもまた5ヶ月後、その香り高い葉っぱを味わうのを楽しみにしよう。

 

ベニバナボロギク  

キク科ベニバナボロギク

学名 Crassosephalum crepidioides

 

アフリカ原産。

戦時中は南洋で春菊の代用とされており、南洋春菊と呼ばれていたが、戦後昭和20年

代に日本に渡来。

現在では関東以西の山野の荒地、畑の中などどこにでも生える。

夏から秋に茎の上部の葉腋から長い花柄が伸び、赤煉瓦色の数個の頭花を下向きにつ

ける。

繁殖力が強いので、少々摘み過ぎても絶やすという不安はない。

 

ボロギク(サワギク)に似ているところからの命名のようだが、花の形はベニバナボ

ロギク は筒状花のみなの対し、サワギクは舌状花と筒状花からなり見た目はツワブキ

の花のような印象。

両者とも果実期の綿毛がボロ切れをまとっているように見えるという説のほうにより

納得がいく。

 

 

仕事日記もやっています。

kitokaplants.hatenablog.com


 

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