植物手帖

出会った植物の気ままな覚え書き

ヤブガラシ

 

食べると辛いからヤブガラシなのかと思いきや、藪を枯らしてしまうほどの勢いで蔓延るからヤブガラシなのだそうだ。

英語では Bush killer。まさに同じ意味あいのネーミングであるところが面白い。

「道端、林縁、荒地などに生え、市街地では公園のフェンスなどによく絡まっている」とウィキペディアには書いてあった。

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若い葉は裏が赤紫色。

それが透けているため、葉脈や縁の部分にその色が見えている。

茎も先端の細い所や枝分かれしている部分に赤紫が入る。

とてもシック。

葉の形は以前育てていたヘンリーヅタに似ている。

そんな風に思っていたら同じブドウ科の植物なのだそうだ。

そういえばヘンリーヅタも葉裏が赤紫色だった。

 

ヘンリーヅタ ↓

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色も形もなんとも魅力的。

花を生ける身にとってはこれを使ってアレンジをしてみたいというモチベーションが沸々と湧く素材であるのだが、悲しいかな別名が貧乏蔓。

庭の手入れが行き届かない貧乏人の家に生い茂るからという。

これがある庭は自ら手入れが悪いですよと公言しているなものなんだそうだ。

ヘクソカズラとかオオイヌノフグリなど可哀想な名前の植物はいろいろあるが、そのうちのひとつに挙げられるかもしれない。

 

これだけ繁殖力が旺盛であちこちにあるのだったら、何か人に役立つことに使えたらいいのに・・・。

そう思い調べてみると、新芽や若葉をおひたしや天ぷらで食べることができるとか。

天ぷらはそのまま揚げればいいけれど、おひたしの場合は茹でたあとのアク抜きがポイントのようである。ぬめりがあるところはモロヘイヤに似ているらしい。

根っこを乾燥させて、利尿、鎮痛などに用いられる生薬 鳥斂莓(ウレンポ)となる。

 

ヤブガラシ Cayratia japonica  ブドウ科ヤブガラシ属の多年草

 

追記

何とか美味しく食べられないか試行錯誤し、

家族からも褒められた一品をご紹介。

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ヤブガラシと若布の胡麻酢和え

ヤブガラシは、先端の柔らかい部分を塩を入れた湯で軽く火を通し、水を張ったタッ

パーに入れて冷蔵庫で1〜2日ほどアク抜きをする。

すり鉢で黒ごまを擦ってみりん、酢、醤油で好みの味に整える。

戻した若芽と共に胡麻酢で合える。

ヤブガラシは固そうな茎は取り除くと、歯ざわりよく美味しく食べられる。

 

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