植物手帖

出会った植物の気ままな覚え書き

紫陽花

 

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kito*ka+plants

 

今の家に越してきて初めての夏、押し入れに入れた布団が一気にカビてしまった。

話には聞いていたが、改めて鎌倉の湿度の高さを実感したエピソードである。

紫陽花は水を好むと言われるが、それは土壌の水分のことばかりでなく、空気中の湿度も当てはまるそうだ。

こういう土地だからこそ、しっとりとした質感と美しい発色の紫陽花が育まれ、6月になれば多くの観光客が押し寄せるのだろう。

 

英名のHydrangeaギリシア語で「水の器」を意味する。

英語の名前があるから、てっきり外国からやってきた植物と思っていたが、実は日本原産とのこと。

日本のガクアジサイシルクロードを経てヨーロッパに伝わり品種改良をされ、逆輸入されたものをセイヨウアジサイというらしい。

ボールのような形をした紫陽花が全てセイヨウアジサイなのかと調べてみたが、そのあたりのことはよくわからなかった。

丸い形のものを「てまり咲き」と呼ぶとの記述もあるので、日本原産でボール状の紫陽花もあるのではないかと思う。

 

実はこれまで、ガクアジサイヤマアジサイの違いについても、よく知らなかった。

あるサイトによれば、両性花の周りに額のように装飾花が並び、日当たりのよいところに咲くのが、ガクアジサイ水の近くのじめじめした木陰に咲くのがヤマアジサイということである。

 

6月に入ってから1週間ほど紫陽花と向き合う日々が続いた。

紫陽花の葉をそのままアレンジに使うのでももちろんOKなのだが、無性に違う葉と合わせてみたくなり、どんなものが合うのだろうと外出の度に自然の植物を観察していた。

次第に自分の中で合わせたいものの輪郭がはっきりしてきた。

① 紫陽花は小さな花が集まっているので、細かい葉を合わせるとうるさい感じになってしまう。大きめで、且つ造形的な葉が紫陽花をうまく引き立ててくれる。

② カサカサした質感の葉よりも、水分を多く含んだものが馴染みがいい。水を好む性質だからかもしれない。

 

紫陽花の葉は、時々料亭などで料理に添えられて供されることがあるが、食べると食中毒を起こすそうなので注意したい。

 

紫陽花 Hydrangea macrophylla アジサイアジサイ属の落葉低木 

 

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